聖幼児への礼拝 ウフィツィ美術館
ヴァザーリの記述などに出ているアンナレーナ修道院に置かれていた作品とも考えられている。前景では聖幼児を礼拝する、敬虔なる聖母形式のマリア、ヨセフは憂わしげな表情で描かれている。背景はフランドル伝来の形式で急激に縮小後退。岩山、廃墟の壁などが交じり合いながら彼方の林に達している。中景には誕生と関わるロバと牛、左に石で胸を打つ聖ヒエロニムス、右には崩れた壁越しにマグダラのマリア。後景には救世主誕生に駆けつける羊飼いたち。背景の処理の仕方は円形の聖母子(1452年頃)と共通しているように思える。階段は必要?。
1450年代
1450年代
前景上部には神を讃える銘帯を持った天使たち、左下の修道服の人物は記された文字から4世紀パレスティナの苦行聖者イラリオン、アンナレーナの兄弟の肖像とする説もある。
この作品にはキリストの誕生を祝うというより、物悲しい気分が漂っている。リッピの他の作品にも同じような傾向が見られ、繰り返されるペスト流行のような天罰への人々の悔悟の心情が示されているのかもしれない。フィリッポ・リッピ Fra Filippo Lippi
聖幼児への礼拝
1453年頃 板 テンペラ 137×134cm
フィレンツェ ウフィツィ美術館
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1
この作品にはキリストの誕生を祝うというより、物悲しい気分が漂っている。リッピの他の作品にも同じような傾向が見られ、繰り返されるペスト流行のような天罰への人々の悔悟の心情が示されているのかもしれない。
聖幼児への礼拝
1453年頃 板 テンペラ 137×134cm
フィレンツェ ウフィツィ美術館
世界美術大全集11 イタリア・ルネサンス1